検索結果に表示される「AIによる概要」は、ウェブサイトやGoogleビジネスプロフィール（以下GBP）内のレビューからスキャンして生成されることを以前当コラムで紹介しました。※1
通常「AIによる概要」は、検索結果の最上部に表示されることが多くなっています。仮に自社のビジネス情報がこの部分に優先的に表示されれば、ユーザーへの大きなアピールになり得ます。
今回は、アンドリュー・ショットランド氏による海外記事を基に「AIによる概要で上位に表示される方法」をご紹介します。
※1 参照：過去コラム
参照：
https://www.localseoguide.com/how-to-rank-at-the-top-of-google-ai-overviews/
「AIによる概要」とは？ビジネスにとって重要な理由
「AIによる概要」とは、検索結果ページに表示される「生成AIを活用した検索結果の概要」です。2025年5月時点で、約40%に表示（※1）されており、以降も増加の一途を辿っています。多くの場合、検索結果ページの最上部に表示されるため、従来の検索結果よりも目立つ事ができます。今後Googleの検索システムにおいて「AIによる概要」は、より主要な機能へと移行しつつあります。
今後ユーザーが「AIによる概要」の検索結果に満足するようになれば、従来の検索結果へのクリック数が大きく減少する可能性があります。実際、現在でもニュースサイト等を中心に、HPへの流入が激減しているケースがみられているようです。（※2）
そのため、サイトのクリック数だけを追求するのではなく「 AIによる概要」内で引用されることも重要な戦略となってきます。直接サイトのクリックがなくても、自社のサイト等が頻繁に「AIによる概要」に表示されれば、ビジネスの認知度向上につながり、後々の直接訪問につながる可能性も出てきます。
また、繰り返し表示されることは「検索結果に関連性の高いビジネス」であることをGoogleやユーザーにアピールすることになります。これは将来にわたって、Googleと自社ビジネスの安定した関連性の確保にもつながります。
※1 引用元：Local Falcon社による独自調査
https://www.localfalcon.com/blog/whitepaper-studies-the-impact-of-google-ai-overviews-on-local-business-search-visibility
※2 参照：AIによる概要の導入でGoogle検索のリンクをクリックするユーザーが少なくなる
https://www.seroundtable.com/pew-google-ai-overviews-39808.html
AIへのアプローチ方法
「AIによる概要」へのアプローチは、従来の施策とは少々異なる特徴があります。
特定の場所を含むキーワードベース（例：「シカゴの歯医者」で検索）では、 従来の検索結果を表示する傾向があります。
一方、「歯医者に通う頻度は？」や「クラウンと詰め物の違いは？」といった、場所に固有しない広範な検索は、AIによる概要の結果が表示される可能性が高くなります。
したがって、場所をベースにしたページやキーワードに加えて、場所に依存しない情報コンテンツを作成する必要が出てきます。
・トリミングサロンの例：自社HP等で「犬のトリミングはどのくらいの頻度で行うべき？」というトピックについて分かりやすく役立つ記事を公開する。
・歯科医の例：自社HP等で「インプラントとクラウンの違い」に関する記事と、よくある質問を公開する。
こうした意思決定の瞬間に焦点を当てた、自然な質問を含むコンテンツを構築することでAIがコンテンツをスキャンして引用しやすくなります。「なぜ」「どこでできますか」のような言葉で情報提供や指導を求める検索を念頭に置き、コンテンツを作成します。
なお、デリケートなトピック（個人財務、医療問題、あるいは誤情報が重大な影響を及ぼす可能性のあるもの）に関する検索では、AIによる概要の表示が大幅に制限されることがあります。このようなコンテンツは極力避け、正確性と信頼性を優先したアプローチを心がけましょう。
継続した施策
「AIによる概要」（およびAI全般）は急速に進化しているため、上位表示するための方法を見つけるのは継続的なプロセスとなります。今後、対応する必要がある新たな知見が出てくる可能性もあります。
定期的に自社が「AIによる概要」に表示されるキーワードや、引用元（直接引用か、サードパーティのソースから引用されているかなど）を調査します。
AIは、コンテンツの正確性、関連性、ユーザーの関心度を評価します。不正確な情報は、コンテンツが取り上げられないだけでなく、サイト全体の信頼性を長期的に損なう可能性があります。
明確な回答を提供することを前提に、ユーザーが想定する回答形式を反映したコンテンツはAIにとっても有益となります。コンテンツ内に箇条書き・定義・要約などを含め、ユーザーにスムーズに理解されることでさらにAIがスキャンしやすくなるといえます。
ユーザーに注目される独創的なコンテンツも高く評価されます。他所から引用しただけのものではなく、独自調査など実際のデータを提示することは、AIにとって非常に評価の高いものとなります。
また、比較表示されている競合他社を把握することも重要です。どのような種類の関連フレーズが競合他社から引用されているか調査します。競合他社が追随できない洞察やデータ、回答を提供するのも戦略のひとつです。
そのうえで、AIによる概要が表示されにくいショートテールキーワード、位置情報ベースの検索ワードで上位に表示されるよう、GBPの最適化など、従来の施策も継続する必要があるのは言うまでもありません。
まとめ
今回は、「AIによる概要」の重要さと上位表示するための方法についてご紹介しました。
今後は従来の施策に加えて、AIに向けたコンテンツを充実させ、アピールすることも重要です。
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文責：laugh