現在、Googleは検索結果画面に生成AIによる概要や、関連する質問などを表示しています。
これはユーザーの検索意図を想定し、ウェブサイトだけではなく様々なソースを瞬時にスキャンして表示しています。その際、Googleビジネスプロフィール（以下GBP）内のレビューも情報源の一つになっているようです。
今回は、クラウディア・トミナ氏による海外記事を基に、AIによる検索結果の生成方法や、レビューが生成結果にどのように影響しているのかをご紹介します。
参照：
https://reputationarm.com/from-trust-signals-to-ai-signals-the-evolution-of-online-reviews/
AIが1つの質問から検索結果を見つける方法
AIによる回答は、表面的には単一の回答のように見えますが、ユーザーからの質問（検索）に直接回答しているわけではありません。AIは最初の質問を分割し様々な角度から分析しています。
まず、最初の質問を基にユーザーの暗黙の意図を汲み取り、いくつかのグループに分割します。そこからいくつものデータをスキャンし、直接的な回答から推測的、予測的な回答や関連する質問などを表示します。
検索例①）「誕生日ディナーに最適なレストランは？」
AIによる結果
「プライベートダイニングのあるロマンチックなレストラン」
表示した理由：雰囲気やプライバシーが求められるだろうという推測
「ケーキや風船の持ち込みが可能な賑やかなレストラン」
表示した理由：誕生日＝パーティーの設定ではないかとの予測
「複数人座れる席のあるレストラン」
表示した理由：一人での食事ではないと想定
「6人以上で予約できるレストラン」
表示した理由：同様の質問の後にこれを検索するパターンが多い
検索例②）「スエードスニーカーのお手入れ方法は？」
AIによる結果
「最適なスエードクリーニングキット」
表示した理由：お手入れに使う商品の紹介（ECサイトへのリンクなど）
「酢はスエードに安全ですか？」
表示した理由：よくある懸念から推測される関連質問を追加
「スエードは乾くのにどれくらい時間がかかりますか？」
表示した理由：予測される関連質問を追加
「家にあるアイテムで作るスエードクリーナーDIY」
表示した理由：同様の質問の後にこれを検索するパターンが多い
AIのレビュー活用法
AI回答にはレビューも活用しています。
検索例「初デートにぴったりで、値段も高すぎない静かなイタリアンレストランは？」
→検索結果ではイタリアンレストランのHPなどがリスト表示されます。
しかしそのお店のHPや関連サイトには、イタリアンであることは明確ですが「デート」「静か」「手頃な価格」といったキーワードは含まれていませんでした。
なぜ表示されたのか？
→この店のレビューに「デートでここへ行きました。雰囲気が最高でした。静かなブース、薄暗い照明、そして素敵なパスタディナーにしては値段も高すぎませんでした。」という投稿がありました。
このレビューをAIが「関連性がある」と認識しました。レビューを基にAIが点と点を結び付け、検索結果として表示しました。
現在Googleは、レビュー投稿時に騒音レベル、1人あたりの平均支出額、座席の種類、食事の対応、駐車場の状況といった詳細情報の入力を促しています。
この情報は他のユーザーがレビューを直接見て役立つと共に、AIシステムに活用され、より正確で意図に基づいた検索結果をサポートしています。
レビューへの返信も重要
レビューへの返信は、AI検索においても重要な要素となる可能性があります。
AIが複数の関連するコンテンツ（ユーザーが直接入力していないものも含む）を結び付け、結論を導き出す際に使用します。
例えば、HPやGBPで自社のレストランがイタリア料理を提供していることを伝えることはできますが、「平日の午後が空いている」や、「ベジタリアンにとっての隠れた名店である」といった情報を伝えることはできません。
レビューや返信文には、ビジネス概要だけではたどり着けないこうした情報がたくさんあります。また、その多くは事実に基づいた情報であることから、信頼度も高く、検索結果に関連づけるのに役立つのです。
例①）ユーザーが「パティオ席が気に入りました」と投稿し、それに対して「パティオ席は一年中営業しており、冬季はヒーターも設置されています」と返信します。
→「暖房付きのパティオがあるレストランはどこですか？」といった質問の検索結果に表示できるようになります。
例②）レビューに「グルテンフリーのオプションが充実していますね」と投稿された場合、「グルテンフリーのデザートメニューも豊富にご用意しております」と返信します。
→「近くでグルテンフリーのデザートを提供しているお店」という検索結果に表示できるようになります。
AIがレビューへの返信を積極的に学習しているという正式なデータはまだありません。しかし、AIが微妙なニュアンスを持つ質問に答えられるよう進化するにつれて、データとして利用される可能性が高くなることが推測されます。
レビューを残したユーザーだけでなく、今後の見込み客のためにも、レビューには必ず返信をしましょう。
まとめ
今回は、AIによる検索結果の生成方法、レビューとの関連性についてご紹介しました。
AIの登場により、単語やキーワードの検索から、AIとの会話型検索も増えています。AIの学習データの一つになっているレビューは、今後さらにビジネスに重要な要素になるかもしれません。
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文責：laugh