MEOコラム

「Googleで予約」は今すぐ導入すべき? メリットとデメリットを考察してみた

「Googleで予約(Reserve with Google)」とは、ユーザーがマップで表示されたマイビジネスの情報から直接、来店予約をすることができる機能です。
飲食業界、理美容業界などで大手予約サイトがGoogleのパートナーとなったことで話題を呼んでいます。
これらの業界では特に予約サイトの掲載料・手数料の負担に悩む事業者様が多く、「Googleで予約」に期待を寄せる声も見受けられます。
しかし、本当に「Googleで予約」は大手予約サイトのシェア独占状態の現状に変革をもたらすのでしょうか?
結論から書いてしまいますと、必ずしもそうはならない可能性が高いものと思われます。
以下に、その理由を解説いたします。

「Googleで予約」の導入条件

前提として「Googleで予約」は無料で使える機能ではありません。
Googleマイビジネスの機能は、Googleアカウントさえあれば基本的に無料で使用可能ですが、「Googleで予約」だけは違います。

「Googleで予約」は、Googleのパートナーとなっているサードパーティ事業者の予約サービスとマイビジネスを連携させる機能です。
したがって、サードパーティ事業者のサービス利用者でなければ使用することができません。

「Googleで予約」のパートナーは多数ありますが、主に「予約サイト」と「予約管理システム(顧客台帳)」の2種類に分けられます。

(例)

※2020年6月時点で一部のサービス・事業者を抜粋
(https://www.google.com/maps/reserve/partners)

「Googleで予約」を完全無料で使用できる機能であると誤解している方もいらっしゃるかもしれませんが、「Googleで予約」の使用にはパートナーのサービスとの契約が必要であるため、厳密に言うとパートナーのサービス利用料がかかることになります

サービスによって料金設定は異なっており、サービスの基本利用料の他に「Googleで予約」の利用のために別途費用が必要なのか、それともセットになっていて月額利用料に含まれているのか、気になるサービスがある場合は導入前に確認しましょう。

「Googleで予約」を導入するメリット

「Googleで予約」の導入メリットは主に2つあります。

1)ユーザーにとって利便性が高い。

ユーザーは、Googleアカウントがあればマップの検索結果から直接予約することができます。
小さなことですが、マップから予約サイトのページのリンクへと改めて飛ぶことでページの読み込みに時間がかかったり、新規会員登録やログインなどの手間が発生すると予約を完了させる前にページから離脱してしまうユーザーも多くいます。
検索・マップからの流入を逃さないという点で、「ユーザーにとって利便性が高い」という要素もメリットの1つです。

2)予約管理を一元化できる。

「Googleで予約」から得た予約は、手作業で予約管理システムに書き写す必要はありません。
予約情報は、連携した予約管理システムの方へ自動で反映されますので、予約の管理を行うスタッフの手間を省くことができます。
Googleマイビジネスで行う作業は最初の連携設定のみです。

「Googleで予約」のデメリット

1)個別にパートナーと契約する必要があるため、費用がかさむ

先述の通り、Googleマイビジネスそのものに予約管理機能はありません。
「Googleで予約」の利用にはパートナーサービスとの契約・連携が必須です。
自社の事業規模に対して、パートナーサービスとの契約が費用対効果の高い来店獲得につながるのかどうかを慎重に検討しましょう。(2020年6月現在)

2)パートナーサービスと連携することで、ユーザーの流入経路がわからなくなる。

一部のサービスでは、予約機能だけでなくマイビジネスの基本情報との連携も必須である場合があります。
この場合、例えば予約サイトで用意されている電話番号とマイビジネスの電話番号が連携されてしまうことによって、ユーザーが予約サイトを見て電話をくれたのか、それともGoogleマップを見て直接電話をくれたのか、区別がつかなくなってしまうといった問題が発生します。

ユーザーがどのような経路をたどって予約に至ったのかが分析できないということは、短期的な費用対効果の算出はもちろん、中長期的なマーケティング戦略に影響が出る可能性があります。

「Googleで予約」の導入を検討する場合は、ユーザーの流入経路についてのレポーティングがどのように整理されているのかという点について十分ご注意ください。

3)顧客情報が予約サイトに集約されてしまう。

「Googleで予約」から入力された顧客情報は予約サイトへと流れるため、顧客情報を自社で蓄積できず、メルマガやDMなど、自由に活用できないというデメリットがあります。(2020年6月現在)

予約サイトの手数料負担が課題の1つとなっている宿泊業界では、Googleマップでの料金表示すら予約サイトの広告枠で成り立っており、自社で価格設定を適宜変更することができません。


▲ホテルの検索結果の価格は、複数の予約サイトの中でGoogleのシステムが選んだ内容が表示されます。


▲ホテルの価格表示は広告枠です。

今後、飲食業界や理美容業界でも予約サイトとGoogleの提携が進めば、集客を予約サイトに依存してしまう状況が加速する恐れも考えられます。
自社の顧客を自社で囲い込める仕組みを構築する余裕があるのであれば、中長期的にそのような仕組みを用意することが望ましいでしょう。

まとめ:「Googleで予約」導入のメリットはあるものの、デメリットが大きいことも理解しておきたい

すでに予約サイトをメインに集客を行っていたり、予約管理システムを気に入っている場合であれば、「Googleで予約」導入のメリットを享受することができるでしょう。
しかし、「Googleで予約」には予約サービスへの依存が高まるリスクがあるという側面があります。

マイビジネスには「Googleで予約」の他にも2つの予約獲得機能があります。
そちらを紹介している記事もご参考いただき、自社のビジネス規模に合った予約獲得方法をご検討いただくことをおすすめいたします。

徹底比較!Googleマイビジネスで使える3つの予約機能

もし予約サイト依存を脱却したいとお考えなら、「Googleで予約」は急いで導入するべきサービスではありません。
予約サイトでは多くの写真やテキストを用意してページを充実させる必要がありますが、マイビジネス運用でも同様、MAPユーザーが求める情報発信を継続的に行うことが重要です

まずは、マイビジネスにすでにある機能をフルに活用しきれているかどうか、運用を見直されることをおすすめいたします。

いかがでしたでしょうか?

Googleマイビジネスの設定や活用のノウハウについては、業態やビジネス規模によって異なる部分もありますので、ご興味がございましたら、下記フォームよりお気軽にお問い合わせください。
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