オウンドメディア・サテライトサイト運用
ここ数年、オウンドメディアが流行の兆しをみせています。
大手のBtoC企業を中心に、顧客育成のため積極的に導入する動きがみられており、この潮流はコンテンツマーケティングの流行と軌を一にしているようです。
ウェブ担当や代理店の担当者から「オウンドメディア」という言葉を聞く機会もここ数年で確実に増えてきたように思うのですが、実際、「オウンドメディア」がどのようなもので、どういったターゲットに訴求するために運営するべきかを正しく理解されている担当者の方は思いのほか少ないように感じています。
オウンドメディアとは?
そもそも「オウンドメディア」とはなんでしょうか。
オウンドメディアは広義にはowned media、つまりは「自社所有のメディア」全般を指します。
それは例えばコーポレートサイトであったりSNSやブログであったりサービス紹介ページであったり、より敷衍して、例えばインディードのような外部採用媒体やホットペッパーのような外部の店舗紹介メディアであっても、「自社管理のもとにあるメディア」であればそれを包括して「オウンドメディア」とひとまず呼ぶことができるのです(この意味合いでのオウンドメディアについては、SEB紹介ページにて詳しく解説しています。)
しかし一方で、近年流行の「オウンドメディア」はこれとは全く違った意味合いをもっています。
そこには日本語の「メディア」の限定的なニュアンスが含まれていて、自社運営の「(マス向け)メディア」といえばわかりやすくなるでしょうか。
狭義でのオウンドメディアを定義すると「自社が運営するウェブマガジンやそれに類するもの」とあらわせます。
すなわちより多くのユーザーに向けた「自社メディア」ということができるでしょう。
ちなみにこの意味合いでの「オウンドメディア」をSEOの観点から見ると、非常に合理的な側面があります。
コーポレートサイトや自社商品ページで訴求できないより広範なワードで自社サイトを上位化させるためのキーワード設計が可能になるという点です。
例えばスキンケア商材のEC販売事業者は、薬事法に抵触する内容をコーポレートサイトに掲載することはできません。
化粧品の「効果」に関するキーワード設計を行うことさえ難しいのです。
こういったときにオウンドメディアを活用すれば、商品の「効き目」や「使用感」に関する記事はオウンドメディアに盛り込むことで、公式ページでは拾えないより広範なターゲット設計が可能になるのです。
オウンドメディアとサテライトサイト
自社運営であるが公式のコーポレートページではないサイトを指す言葉に、オウンドメディアと混同されやすいものとして「サテライトサイト」というものがあります。
文字通り「衛星サイト」、すなわちコーポレートサイトの周りでリンクパワーを与えるサイト、と言ったような意味合いを持った言葉ですが、リンクパワーの概念が変わってきた今日ではあまり聞かれなくなってきた言葉でもあります。
弊社ではリンクパワーよりはむしろマーケティングの側面での意義を重要視しており、狭義の「オウンドメディア」とは違うターゲットへ訴求する媒体として「サテライトサイト」を定義、活用しています。
オウンドメディアとサテライトサイト、それぞれのターゲット
コーポレートサイトで拾えないターゲットに訴求するためのメディアとしての「オウンドメディア」と「サテライトサイト」。
それでは両者の違いはどこにあるのでしょうか。
両者の違いについて誤解を恐れずに単純化すると、オウンドメディアは自社運営を標ぼうしつつ、より潜在層へアプローチして長期的にファンを獲得するための読み物的メディアであるのに対し、サテライトサイトは運営会社を伏せたうえで運営され(ることが多く)、比較検討段階に入っている顕在層へ訴求するための比較・口コミ的サイトということができるでしょう。
サテライトサイトは必ずしも自社運営であることを伏せるわけではないのですが、図のように顕在層、準顕在層へアプローチするという特徴があるため、内容に客観性を持たせるために第三者的視点を必要とするケースが多いのです。
例えば、商品を買うことを決めているものの購入先を迷っているユーザーに対し、自社含め競合他社商品のメリットやデメリットをまとめたサテライトサイトを作成するとします。
これらの比較サイトはいくら客観性を持たせるといっても、自社商品を自社が露骨に持ち上げすぎるとなると様々な弊害が生じるため、運営会社を自社ではなく、「〇〇比較検討委員会」のような客観的立場のものとして運営するのです(もちろん内容は極力公平であるべきですが。)
それに対してオウンドメディアは、自社商品に紐づいた広範なサービスに漠然と興味を抱いている層を対象とするため、自社運営であることをきちんと表明しつつ、いわゆる読み物形式でサービスのメリットを広く展開していくことが多くなります。
ランディングページ、サテライトサイト、オウンドメディア。
それぞれターゲットを分けて運用しよう!
ランディングページ、サテライトサイトとオウンドメディアはそれぞれ対象となるターゲットが違い、それゆえに検索エンジンマーケティングの観点でみたとき、明確に対象ワードを峻別して運用されるべきものであると弊社では考えています。
レーシッククリニックを例にとると、リターゲティングやリスティング広告のランディングページでは自社クリニックのサービスの特長とメリット、価格、選ばれる理由などを掲載し、自社をすでに見知っている層を予約・問い合わせへと向かわせるためのページを作成するのが通例です。
一方で、サテライトサイトでは他のクリニックと比較したメリットとデメリット、それぞれに向けられたリアルな口コミを掲載、場合によってはランキング形式にして差別化することで、どのクリニックにするか迷っている層に自社クリニックの利点を明確にアピールすることを目的とします。
オウンドメディアの場合、ターゲットはどこに設定すべきなのでしょうか。
結論から言うと、オウンドメディアのメインターゲットは、ランディングページ、サテライトサイトよりもずっと幅広い層を想定するべきです。
例えばレーシックの場合、漠然とレーシックは怖いと思っている層や手術への懸念を感じている層、場合によっては「レーシック」という言葉さえ知らない層、すなわち目が見えなくなってきたという課題への回答を「メガネ」「コンタクト」で解決しようと考えている層に対してさえも、レーシックそのものの良さや利便性を説きつつ、あくまで情報提供に徹するような読み物を複数掲載したメディアを作成することにより、自社の潜在的な顧客へとアプローチすることができます。
そうすることによって長期的な視点でファンを獲得し、将来的な見込み客を育成するのがオウンドメディアの役割なのです。
運用に興味がある方は、弊社までご相談ください。
これまで見てきたように、訴求したいターゲットによって運営するべきメディアや方法はまったく異なります。
貴社の課題をまずヒアリングさせていただき、訴求すべきターゲットを見定めたうえで最適なメディアを運用するお手伝いをさせていただきます。
ターゲットと目的を明確化することにより貴社の長期的なマーケティング、ひいてはブランディングにも寄与するものと弊社では考えています。
興味がある方はお気軽にお問い合わせください。
貴社の課題や現状にあわせ、最適なメディアをご提案させていただきます。