Googleマイビジネスの露出を増やし効果的なMEO対策を行うための重要なポイントは多々ありますが、まずは検索結果に上位3位までのマイビジネスが表示されるマップ枠(ローカルパック)の中に入ることを目指す方が多いでしょう。
では、このマップ枠に入るために必要な要因は何でしょうか?
本稿では、マイビジネスを効率的に運用するヒントを得るべく、海外のレポートを2つご紹介したうえで、当社見解をまとめてみました。
2つのレポートの調査概要
今回紹介するレポートは2つあります。
Moz社とWhitespark社、それぞれアメリカのウェブマーケティング企業が作成したものです。
2社はそれぞれ複数のマーケッターに対して独自のアンケート調査を行いました。
Moz社:1453人のマーケッターにアンケート調査を実施(2020年6月発表)
Whitespark社:44人のマーケッターにアンケート調査を実施(2020年9月発表)
MEOだけでなくSEOも含め多くの情報がまとめられている各レポートの中から、当社独自の視点でMEOに関する重要ポイントだけに絞って解説いたします。
MEOのランキング上位化に関係しているであろう要因として取り上げている項目がそれぞれ違いますので、比較しながら見ていきましょう。
マイビジネスのランキング決定要因は?
検索結果に表示されるマップ枠(上位3位までの枠)は、アメリカでは「ローカルパック」と呼ばれています。
海外でもローカルパックにマイビジネスが表示されることを重要視しているようです。
Moz社のランキング
以下が、Moz社が発表したローカルパックの表示決定要因のランキングです。
▲Moz社のレポートから引用
(レポートのダウンロードは記事の最後に掲載しているリンクからご利用ください)
こちらのランキングは、マーケッターたちが「次のランキング要素はどの程度重要ですか?」という質問であげられた各種の要因に対して、重要度が最も高い(10)から最も低い(1)までランク付けを行い、集計された結果となっています。
1位:Googleマイビジネスの要素(名前、カテゴリなどのキーワード)
2位:Googleレビュー(数、感情、オーナーによる返信の有無など)
3位:検索地(検索者の居場所)とビジネスの近接性
4位:検索地の住所・検索を行った都市
5位:引用(サイテーション)の一貫性
6位:公式サイトのSEO要素
7位:マイビジネスのエンゲージメント(クリック率、電話ボタンの使用、 オンライン予約など)
8位:有機的なユーザーの行動(CTR、サイト滞在時間など)
9位:ドメインへのインバウンドリンクの品質・権限
マイビジネスの上位化に一番関わってくるのはもちろん、マイビジネスに店舗の基本情報がどれだけ掲載されているかという点です。
初歩的な部分ではありますが、当然マイビジネスのオーナー確認が完了していなかったり、ビジネス名が間違っていたりすれば上位化はかなり難しくなります。
そして、設定された正しい情報のもとに集まってくるのがレビューです。
Moz社の2020年の調査ではレビューの数、ポジティブな内容であるかどうか、またオーナーが返信しているかどうかもランキングに影響していると発表されています。
レビューは入っているが、返信はしたことがないという事業者様もいらっしゃるのではないでしょうか?
レビューの返信を行うメリットについては、当社のコラムでも以前ご紹介いたしましたので、よろしければご確認ください。
参考:Googleマイビジネスを使いこなそう!今日からできるクチコミ管理術!
また、特に注目したい点として、Moz社は前回の行った2018年時点の調査では検索を行った拠点とビジネスの拠点の近さ(近接性)という項目を他の項目と合わせて集計し発表していますが、2020年調査では項目を分けたようです。
それだけ、ローカルパックの表示を決める要因として「近接性」の重要度に変化があったのだと考えられます。
簡単にご説明すると、2018年と比較して2020年には「検索地がビジネスの拠点から近いマイビジネスが、必ずしも優先的にローカルパックに表示されるというわけではない」と考えるマーケッターが増えたとのことです。
この2020年版の調査では、ローカルパックのランキング決定要因として「近接性」が重要であるという回答数が、「レビューの数」が重要であるという回答数より下回ったという点が強調されています。
近接性よりもレビューの方が重要度が高まったのではないかと考えられているようです。
Whitespark社のランキング
一方、Whitespark社の調査では、あくまでも検索地、または検索地を含む都市の情報の方がレビューより重要だと考えたマーケッターが多かったそうです。
▲Whitespark社ダレン・ショー氏の発表スライドから引用
Whitespark社が発表したランキングは下記のとおりです。
1位:マイビジネスのカテゴリ設定
2位:タイトルにキーワードが含まれているか
3位:検索地とマイビジネスの拠点までの近接性
4位:検索都市の住所
5位:追加カテゴリ
6位:ドメインへのインバウンドリンクの品質・権限
7位:ネイティブGoogleのレビューに含まれるキーワード(サードパーティーサイトのレビューではなく)
8位:星の点数が4~5点であるか
9位:スパムであるマイビジネスの削除(スパム対策によってランキングが変動すること)
10位:GMBの登録情報の完全性
11位:オーナー確認済みかどうか
12位:テキスト付きのレビューの量
13位:GMBからリンクさせているページタイトルのキーワード
14位:GMBからリンクさせているページのURLへのインバウンドリンクの品質・権限
15位:ウェブサイト全体でのトピック(製品・サービス)キーワードの関連性
Whitespark社の調査ではレビューよりも近接性を重視するという結果になりました。
しかし、検索地についてはマーケッターの工夫でコントロールできる範囲ではありません。
そこで、マイビジネスを運用する担当者の力でコントロールできる項目に絞って、ランキングを決定する上で特に重要な要因を上位3位まで絞ると下記の3つになると紹介していました。
①マイビジネスの基本情報
②レビュー
③公式サイト等ウェブページの品質
Whitespark社のランキングを見ると1位、2位、5位がマイビジネスの基本情報に関する項目となっています。
Moz社の発表と同様に、マイビジネスにどれだけ基本的な情報が正しく登録されているかが最も重要だとのことです。
次にレビューがあげられています。
好評価であるかどうか(星の点数)、テキストが入っているレビューの量がランキングに影響していると考えられています。
最後に、Whitespark社では公式サイト等のウェブページの品質も重要であるとしています。
マイビジネスとウェブページでキーワードや情報が一貫しているかどうか、自社のビジネスを初めて知る人に統一感のある情報を提供できているかどうかという点を見直したいところです。
MEOを始めたばかりで何をしたら良いかわからないという初心者の方は、まずは上記3点の質を高めることを目指すと良いでしょう。
また、MEOを意識している方でもいま一度この3点について改善できるところはないか、確認してみてください。
補足:ホワイトスパーク社の解説から注目したいポイント3点
Whitespark社の調査で筆者が特に気になったポイントをさらに3点ご紹介いたします。
1.説明文・サービス機能・商品機能・投稿機能の活用がすぐにランキングに影響するわけではないが、ユーザーのアクションを集めるのに効果的であるため、実施をすることを勧めている。
マイビジネスには、ビジネスの概要を紹介するための説明文という項目、サービス・商品を紹介する機能、ビジネスの最新情報をSNSのように発信する投稿機能があります。
これらは、設定後すぐにランディングに影響するというわけではないとのことです。
しかし、やはりユーザーがリンクをクリックしたり、設定された情報を見て電話をかけたりといったアクションを起こすことを期待して実施するべきであるとしています。
2.サイテーションはランキングに影響するまで時間がかかる。
サイテーションとは、公式ウェブサイト以外のウェブサイトやSNSなどでマイビジネスの情報が記載されることを指します。
Whitespark社では「サイテーションは全く効果がないと切り捨てる人もいるが、まったくないというわけではない」と見ているそうです。
公式ウェブサイト、SNS、食べログや楽天トラベルなどのまとめサイトで店舗の屋号や住所、電話番号などマイビジネスに記載している基本情報に誤りや表記のブレのないように注意するようにしましょう。
3.ウェブサイトも充実させる必要がある。
アメリカでもコロナの影響で公式サイトの中に予約フォームの設置や、遠隔接客のシステムを導入する企業が増えているとのことです。
ローカルパックのランキング決定要因にもつながることから、公式ウェブサイトの機能や役割も充実させる必要があると指摘しています。
強調スニペットの増加やマイビジネスの普及で、ウェブサイトへの訪問が減っていると言われてはいますが、マイビジネスではできないサービスの提供をウェブサイトで行う必要があるとのことです。
当社の見解
ローカルパックのランキング要因、即ちMEOの順位決定要因については、当社でも複数のマイビジネスを運用していくなかで大まかな傾向を把握しています。
上記2社のアンケート結果は、当社の所感とも近い部分が多くありますが、なかでも当社がMEOの要素として重視している部分を、下記3点にまとめてみます。
1.カテゴリーを適切に設置すること
カテゴリーについては、自社ビジネスとターゲットとしたいワードなどにより、適切に設定する必要があります。
カテゴリーは統廃合や変更、新たなカテゴリーの設置などがサイレントに行われることがあり、随時チェックを行うほか、サブにも最適なカテゴリーを設定したりといった作業も必要になってきます。
カテゴリを間違えて設定してしまうと、他の要素をどれだけ充実させてもランキングの改善が難しくなるケースがあり、注意が必要です。
2.マイビジネスの基本情報とサイテーションサイトの一貫性
サイテーション(引用元)サイトと基本情報の情報の統一がなされていないと、上位化に影響が出る可能性が高くなります。
名称や住所はもちろん、電話番号の統一などにも注意を払う必要があります。
サイテーション先まであまり気にされていないケースが見受けられますが、情報の一貫性を持たせるよう注意した方が良いでしょう。
店舗移転や業態変更の際にも注意が必要です。
3.レビュー管理と返信の実施
レビューについては、上記2社ともに重視する傾向にありますが、当社としても同様の考えです。
ビジネスに理解のある良質なレビューを集め、それに対して返信を行うことでレビューの育成を進めるとランキングが改善されるケースが多く見られます。
良質なレビューを集めるには一朝一夕にはいきませんが、集まったレビューに丁寧に返信を進めるだけでも、新たなレビューの呼び水になりやすい傾向にあります。
他にもMEOの順位決定に重要な要素は多数ありますが、とりわけ重要と当社が考える3要素をご紹介しました。ご参考までにご高覧いただけますと幸いです。
まとめ
今回は海外のウェブマーケッターたちが考えるマイビジネスのランキングの上位を決定する要因について、実際のレポートをもとに、当社見解含めてご紹介いたしました。
ローカルパック(検索結果で表示されるマップ枠)で上位3位に入るために確認するべきことを簡単にまとめると、下記のようになります。
・マイビジネスの基本情報(屋号・説明文・カテゴリ・営業時間など)を正しく設定し、豊富な情報を登録できているか、サイテーションサイトとの情報の整合性はあるか。
・質の良いレビューが集まっているか、返信を行っているか。
・公式ウェブサイトにもユーザーのアクションを促すための工夫ができているか。
基本的なことばかりかもしれませんが、今一度自社のマイビジネスをチェックしてみると意外と改善点が見えてくるかもしれません。
マイビジネスの管理・運用に課題を感じられている方、マップでの露出を高めて問い合わせを増やしたいという方は、ぜひ一度プロにご相談ください。
MEO対策を行っていない方はもちろん、すでにMEO対策を行っている方であっても、効果を実感できない方や社内での運用に限界を感じている方へ、弊社ではMEO対策に関するサポートサービスを提供しております。
お問い合わせは、無料のお問い合わせフォームより24時間受け付けております。
まずは、お気軽にご連絡ください。
参考・引用:
Moz社レポートのダウンロードはこちらから
Whitespark社のレポート・解説はこちらから