当コラムにて前回9月19日に公開した記事に続き、Googleビジネスプロフィール(以下GBP)内のメニュー項目や店舗の混雑状況が、ランキングの要因となっている可能性があるというレポートのご紹介(後編)となります。
本記事は米国のGoogleプロダクトエキスパートのレポートによるもので、前編ではGBPのメニュー項目とランキングの相関についての調査結果をご紹介しました。
後編は、店舗の混雑状況とランキングの相関についての調査結果です。
是非、前編と併せてご参照ください。
前編はこちらから
参照:
https://www.seroundtable.com/menu-items-popular-times-are-google-local-signal-37642.html
https://reputationarm.com/ranking-factor-popular-times-on-google-maps/
訪問数の多い時間帯グラフとは
GBP内に「訪問数の多い時間帯」グラフという項目があります。
この「訪問数の多い時間帯」グラフを分析し、時間ごとのランキングデータを比較した結果、混雑時間帯によってランキングが上昇する可能性があることがわかりました。
「訪問数の多い時間帯」グラフには、次のような表示があります。
①最新の訪問数情報:通常の混雑状況と比較した、リアルタイムで更新された混雑状況がライブ表示されています。
②滞在時間:ユーザーがビジネスで過ごす平均時間を示します。過去数週間にわたる訪問データのパターンに基づいています。
③混雑する時間帯: 該当するビジネスの通常の混雑状況が1日の時間帯別に表示されます。これは過去数か月にわたる平均の混雑度に基づいています。
週の平均的なピーク時の混雑度と比較して、指定した時間帯の混雑度が表示されます。
たとえば上記の画像では、日曜日の午後12時〜午後13時は1週間の中で常に混み合う時間帯のひとつであることがわかります。
④推定最大待ち時間:ユーザーがサービスを受けられるまでの待ち時間を1日の時間帯別に示します。曜日や時間をクリックすることでその時間帯ごとの推定待ち時間も確認できます。これは業種によって待ち時間の種類が異なります。たとえば、着席形式のレストランの場合は、着席するまでの待ち時間を表します。
Googleによるとこのグラフは、
・Googleの位置情報履歴を有効にしているユーザーから匿名で集計されたデータをもとに割り出して表示しています。
・「最新の訪問数情報」はリアルタイムの位置情報を活用し、アクティビティの急激な増加などを検出して「ライブ」として表示しています。
(GBPヘルプ:https://support.google.com/business/answer/6263531?hl=ja&sjid=7904682476459572648-AP)
ピーク時間や競合店がランキングに与える影響
「訪問数の多い時間帯」グラフに基づいて、同じ地区の2つの競合ビジネスの順位を並べて比較してみます。
以下に示すグラフデータのみに基づくと、A店はランチタイムの12時頃にランキングが高くなり、B店は午後7時頃のランキングが高くなると推測できます。
(画像引用:https://reputationarm.com/ranking-factor-popular-times-on-google-maps/)
以下が、午後12時の順位結果です。
赤が低順位または圏外、黄色が5位、以降緑が濃くなるにつれて4〜1位をそれぞれ表しています。
ランキングはA店が上位を占めていることがわかります。
次に、午後8時の順位結果です。
ランキングは逆転してB店が上位になっていることがわかります。
(画像引用:https://reputationarm.com/ranking-factor-popular-times-on-google-maps/)
この地域では午後7時をピークに、それ以降ほとんどのレストランの客足が遠のく傾向にあります。「訪問数の多い時間帯」グラフを見ると、A店、B店も例にもれず午後7時過ぎから客足が減っています。B店のグラフは、A店に比べ午後8時以降にもまだ客足がありますが、A店は午後8時でグラフの表示が終了しています。
そのため、午後8時の順位結果ではB店が上位に入りましたが、B店もピーク時間が過ぎた以降の時間はランキングは下降すると思われました。
しかしB店は午後8時以降も競合店の客足が大幅に減ったことで相対的に上位にランキングしていました。
このことからピーク時間以外でも、競合相手の客足が大きく減ると、ランキングが相対的に上昇することがわかりました。
訪問数の多い時間帯グラフからわかる対策のポイント
▶時間ごとの傾向をチェックする:訪問数の多い時間帯グラフを定期的に分析すると、最も忙しい時間帯(ピーク時間)が特定できます。これによりピーク時間に合わせた戦略を立案することができます。
▶リアルタイムデータを活用する:「通常よりも混んでいます」とライブ表示された場合、その時間のランキングが向上する可能性があります。
▶ターゲット時間を絞ったプロモーションを実行する:客足の遠のく時間帯にプロモーションやイベントを実行します。イベントが増えることでユーザーに認識される機会が増え、ランキング上昇につながります。
▶キーワードランキングを時間ごとに追跡:特にピーク時間前のキーワードの順位を確認して、上位になるキーワードの傾向を分析します。12時にピークを迎えるA店ならば、「A店 ランチ」や、具体的なランチメニュー名などのキーワードの順位傾向を分析してみるとよいでしょう。キーワードの傾向とピーク時間は密接に関係しているといえます。
まとめ
今回は2回にわたり、前編はメニュー項目について、後編は混雑時間帯について、どちらもランキングに与える影響をご紹介しました。
リアルタイムの混雑データがランキングに影響を及ぼすと理解すると、ランキングが上昇する可能性がある時間帯が判ってきます。
競合他社の動きなども含めた戦略を継続することで、ランキングの改善、安定につながるといえます。
客足が遠のく時間帯にあえて集客を図り、ランキングを改善していく等、多くの業態で参考になる内容だったのではないでしょうか?
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文責:laugh