MEOコラム

Google公式がGBPスパムレビュー対策の舞台裏を公開

2022年2月2日、Google公式ブログにて、マップに投稿されるスパムレビューについてGoogleがどのような対策を講じているかについての発表がありました。
Googleは今までも毅然とした態度でスパムレビューとどう戦っているかという点についてPRしてきましたが、今回はより具体的に、スパムを探す機械学習がどのようなレビューをスパムと判定するかという条件が公開されています。

「ビジネスプロフィールに知らない人から嫌がらせのクチコミを書かれてしまうかもしれない」と懸念を感じている事業者様もいらっしゃるかと思います。
Googleがどのようにスパムレビューを排除しているかを知ることは、日々のビジネスプロフィールの保守・運用に役立ちますので、ぜひご確認ください。

機械学習によるスパムレビュー対策の方法

今回ご紹介する内容はGoogle公式ブログで発表されました。
2021年にも同じブログにて、世界中で不正なレビューを5500万件削除したという発表をしていました。
その際はテキストのみでの発表でしたが、今回はアニメーション動画も制作され、機械学習システムがどのようにスパムレビューを排除しているかがより直感的に理解できるように発表されました。

参考記事(2021年の内容):マイビジネスの不正レビューを5500万件対処! Googleによる不正投稿の見分け方とは?

アニメーション動画には日本語訳の字幕が設定されていないため、当社で翻訳した上で内容を簡潔にご紹介します。

まず、Googleはポリシーを規定しており、それに則ってレビューがユーザーの役に立つ内容なのか、スパムなのかを判断しています。
投稿されたレビューが公開までにどのような道をたどるかという流れがアニメーションで説明されています。
投稿されたレビューは公開状態となり一般のユーザーの目に触れる前に、自動的にシステムによってスキャンされています。
システムは常に機械学習を進めており、様々な角度からレビューを分析します。

今回明らかにされたのは、この機械学習がどのような観点でレビューをチェックしているかという部分です。

Google の機械は、次のような複数の角度からクチコミを調べます:
クチコミの内容:不快なコンテンツやトピックに関係のないコンテンツが含まれているかどうか。
クチコミを投稿したアカウント:Google アカウントに疑わしいアクティビティの履歴があるかどうか。
場所自体:場所やビジネスに対して、典型的でないアクティビティがあったかどうか。たとえば、最近ニュースやソーシャルメディアで取り上げられたなどといった、不正なクチコミが投稿される動機付けがあったかどうか。

引用:Google のクチコミの仕組みについて(Google Japn Blog)
https://japan.googleblog.com/2022/02/google.html

レビューの文章や画像を分析して、不適切なワードや不適切な表現を含むかどうかをチェックしているというのは予想できる範囲でしょう。

興味深いのは、レビューを投稿しようとしているアカウントのアクティビティも分析しているということです。
疑わしいアクティビティとは、例えばビジネスプロフィールの評価を不正に操作するように、星1や5といった極端な評価のレビューを短期間に大量に投稿していないかどうかといった行動であるとのことです。

以前、海外でこんな事例がありました。
趣味でローカルガイドをしている男性は、日々Excelのようなシートにお店の情報やレビューをまとめておいて、休日にまとめて投稿するという作業を行っていたところ、Googleアカウントが停止されてしまったということがあったそうです。
当時、この男性から質問を受けたマーケターたちは投稿のスピードが不自然であるため、スパムであると判定されたのではないかと推測をしていましたが、今回の発表でその考えが正しかったことが裏付けられました。

さらに、投稿されるレビューの内容と投稿を行うアカウントだけでなく、投稿されるビジネスプロフィールそのものの分析も行っていることが発表されました。
例えば、通常時と比べて不自然に大量のレビューが寄せられている場合、テレビで紹介されたから等の動機があるかどうかといった流行もチェックしているそうです。
このチェックでは、ビジネスプロフィール側が不正に高評価を獲得しようとする動きがないかどうかを監視するという役割があるようです。

なお、上記のようなシステムによる監視はレビューが公開された後も続き、表示され続けるのにふさわしいかどうかを判断するということも名言されました。
システムは常に世界中のビジネスプロフィールのレビューを巡回してチェックしているようです。

以上のことから、ポリシー違反のコンテンツの大半はユーザーの目に付く前に削除されているとGoogleは主張しています。

機械による自動チェックだけでは物足りないのではないか、もしかするとそのように感じる方もいらっしゃるかもしれません。
現に当社へもレビューに関するお困りごとのお問い合わせは多く寄せられており、対人による対応を求められるユーザーは多くいらっしゃるようです。

人間のモデレーターの役割と特別な対応について

人間による監視

動画の中ではさらに、24時間体制で人間が監視していることも公表されました。
彼らはポリシーに違反するクチコミが見つかった場合に削除を行い、場合によってはユーザーアカウントの停止や法的措置などの対応を取るとのこと。
人間の監視が入るのは、ユーザーやオーナーが特定のレビューに対して違反申請を行ったものに対してになります。

我々が目にする「これは違反ではないのか」という疑いのあるレビューは、システムの監視をすり抜けてしまったものであるため、残念ながら自力で違反申請を行ってGoogleからの回答を待つ必要があります。

特別な対応

日常的に行われているシステムによる監視と人間のオペレーターによる監視以外にも、例えば選挙など、多くの注目を集めるイベントが予定されている場合、イベントに関連する場所や、ユーザーがマップで検索する可能性のあるその他の近隣のビジネスに対し、高度な保護が適用されるとのことです。
そして、信憑性と信頼性が担保されたレビューのみを公開するというポリシーに従い、不正行為のリスクがなくなるまで、特定の場所やビジネスプロフィールの監視は継続されます。

選挙の他にも、アメリカではワクチン接種を受けた証明がないと利用できない施設などがあり、そのビジネスプロフィールのレビュー欄へ反ワクチン派の人々が攻撃的なレビューを大量に投稿するといったトラブルもあったとのことです。
日本でも事件が起こり、報道で名前が出た学校や企業のビジネスプロフィールのレビュー欄がいわゆる「荒らし」の被害に遭ってしまうことがありますが、日本のビジネスプロフィールに対しても一時的にレビュー欄の機能を停止させるなどの対応が行われたことがあります。

以上が、Googleが公開したスパムレビュー対策に関する最新情報です。

ビジネスプロフィールのポリシー違反の細かい項目については、過去記事で解説しておりますので、ぜひご参照ください。

参考:マイビジネスのクチコミに関するポリシー違反について知っておこう!

レビューの報告項目に「役に立たなかった」も追加

本稿の内容とは少し横道にそれますが、レビューの「役に立たなかった」ボタンの追加についてもご紹介させていただきます。
2022年2月頃、レビューの違反報告フォームに変更が加えられた模様です。
以前はポップアップで表示されていた報告項目が別タブで開くようになり、また、違反項目リストの最後に「役に立たなかった」という項目が追加されました。

2021年3月に実は海外で「いいね(高評価)」を表すサムズアップマークの隣に「役に立たなかった(低評価)」を表すサムズダウンマークのボタンを設置するというテストが行われ、日本でも2021年10月頃にスマートフォンアプリでこのボタンが実装されました。

パソコンのブラウザ版では2022年2月現在、このボタンは表示されないようです。

スマートフォンアプリからこのボタンを押すと、ボタンは青色に変わります。
2回押すと白に戻るため、YouTubeの低評価ボタン等と同じで、1人1回だけ押すことができる仕様のようです。

この「役に立たなかった」ボタンを押したユーザーの人数は表示されませんが、押された回数は裏でカウントされており、多い場合は「表示回数が減る」という仕様になっているとのことです。
ただ、どのくらいの人数からボタンを押されたら、どのくらいの人数のユーザーに対して、どのくらい表示が減るのかということまではさすがに名言されていないため、このボタンが機能しているところを観測するのは非常に難しいことではないかと考えられます。

前の章まででご紹介してきたスパムレビューはポリシー違反が認められれば削除されるという処置になりますが、こちらの「役に立たなかった」ボタンでは完全な削除には至らないようです。
Googleとしてはスパム対策とは別軸の考え方で、マップにより良質なコンテンツを残したいという思惑があるのではないでしょうか。

もし、嫌がらせのレビュー等でお困りの場合は、こちらのボタンを押すのではなく、「・・・」というボタンからポリシー違反の申請を行うことをおすすめいたします

まとめ

今回はGoogleから発表された2022年最新のスパムレビュー対策の仕組みについてと、役に立たなかったボタンについてご紹介いたしました。
どういった内容のレビュー・コンテンツがスパム判定されるのか、Googleが定めるポリシーについては過去に解説しておりますので、ぜひご参照ください。

参考:マイビジネスのクチコミに関するポリシー違反について知っておこう!

参考記事(2021年の内容):マイビジネスの不正レビューを5500万件対処! Googleによる不正投稿の見分け方とは?

マイビジネスの管理・運用に課題を感じられている方、マップでの露出を高めて問い合わせを増やしたいという方は、ぜひ一度プロにご相談ください。

MEO対策を行っていない方はもちろん、すでにMEO対策を行っている方であっても、効果を実感できない方や社内での運用に限界を感じている方へ、当社ではMEO対策に関するサポートサービスを提供しております。

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