MEOコラム

「低評価レビュー消します」は無視! GBPを狙った悪質業者の手口とは?

2022年7月、アメリカの大手新聞ニューヨークタイムズにて、GBPを舞台とした悪質業者の手口が紹介されました。

「Restaurants Face an Extortion Threat: A Bad Rating on Google(複数のレストランがGoogleの悪評による恐喝の脅威に直面している)」という見出しの記事で、手口は星ひとつのレビューを大量に投稿、消すためにギフトカード等の金銭を要求するというものです。

GBPのレビューを悪用した被害は悲しいことに日本でも報告されています。

今回は悪質業者の手口と見分け方、また実際に被害にあってしまった際にどんな対処をするべきかをご紹介いたします。

ニューヨークタイムズ元記事(有料記事)

https://www.nytimes.com/2022/07/11/dining/google-one-star-review-scam-restaurants.html

悪質業者の手口

低評価レビューをGBPに投稿し、削除と引き換えに金銭を要求するという手口は世界的に共通しています。

今回ニューヨークタイムズが取り上げたのは「星1で、テキストのないレビューの大量投稿」です。一度に数件の星1テキストなしレビューが投稿され、その後金銭を要求するメッセージが届き、拒否するとさらに追加で星1テキストなしレビューが投稿されます。投稿されるレビューの数は様々で、数日のうちに5~10件というものから、多いものでひと月に70件という例も報告されています。

参考:Search Engine Land

https://searchengineland.com/google-1-star-restaurant-reviews-scam-386561

上記は海外の例ですが、日本では「店内にゴキブリがいた」「店員の態度が悪かった」「医師が診療拒否をした」など、嘘の文章を書き込まれることが多いようです。

ここに取り上げたのは医院からのツイートですが、業態に関係なく同様の被害はあるようです。国内の事例で共通している手口は、実際にそのビジネスを利用した体で嘘の低評価レビューを投稿、不安を煽る電話を架けて金銭を要求するというものです。

次に、貴社のビジネスが上記のような被害にあってしまった場合の対処法をご紹介します。

実際被害にあったら?

まず念頭に置いて頂きたいのが「投稿者以外の人間はGBPレビューを確実に削除することはできない」ということです。

星1のコメントなしレビューが大量投下され、金銭を要求された場合は、返信にて不正なレビューであることをアピールしましょう。金銭の要求があった際には、件数の多い少ないに関わらずGoogleへ通報することも忘れずに。

この場合「ギフトカードを請求されています。このクチコミを信用しないでください」など、書き込んだ悪質業者ではなくそれを見る他のユーザーにアピールすることが大切です。

また、身に覚えのない事柄を書き込まれていた場合は、事実と違う点を明確にし、毅然とした態度で返信します。

こうした悪質レビューを放置してしまうと、それを見る他のユーザーにも悪印象を与えてしまいます。手間ではありますが、必ず返信し、悪質業者の被害にあっていることを訴えかけるようにしましょう。

件数が膨大であったり、誹謗中傷のような内容がエスカレートするようであれば、Googleだけでなく警察へ相談することも検討が必要です。

・なぜ悪質業者だと分かるのか?

金銭を要求された場合はすぐに悪質業者だと分かりますが、「低評価レビューを消すために当社と契約しませんか」など、契約を持ち掛けられる場合もあります。しかし、そういった類の持ち掛けはすべて悪質業者と見做していいでしょう。

前述の通り、投稿者以外の人間はGBPレビューの削除を約束することはできません。GBP運用に精通しているプロであっても、投稿者以外はGoogleへの削除「申請」しかできないからです。

つまり「低評価レビューを消します」という申し出は自ら犯人ですと名乗り出ているのと同じです。「独自のノウハウがあるので絶対に消せます」などと言ってくる業者もいるようですが、100%を騙る業者はすべて悪質と見て問題ありません。

万一、一度でも金銭を支払ったり契約したりしてしまうとカモと見なされ、何度も似たような被害を被ることになる可能性大ですので、絶対に騙されないようにしましょう。

Googleの対処

Googleからすると、ただの星1のレビューは規約違反とは言えず、長文でレビューが入っていてもそれが事実かどうかは判断できません。今回ご紹介したようなコメントのないレビュー、または「さも実際足を運んだかのように書かれているレビュー」は、削除が難しいとされており、これらの業者もそこへ目をつけたと考えられます。

しかし、仮に星1コメントなしであっても、それが大量に投稿されていたり国外から投稿されていたりすれば、取り締まりの対象となるというのがGoogleの公式見解です。

参考:Google Jpan Blog

https://japan.googleblog.com/2022/02/google.html

Googleの不正レビューの取り締まり基準については、当社の過去記事をご参照ください。

過去記事:Google公式がGBPスパムレビュー対策の舞台裏を公開

https://partita.co.jp/meocolumn/spam_review_check2022/

Googleもこれらの問題は認識しており、取り締まりを強化する他、新たな機能をテストしているようです。

・「このレビューは検証されていません」ラベル

2022年7月、GBPのレビュー欄に「このレビューは検証されていません」という表示が確認されました。

詳細を表示すると「レビューは Google によって検証されていませんが、Google は偽のコンテンツを確認し、特定された場合は削除します」という文言が表示されます。

Google側はどのような意図でこの機能をテストしているのかコメントしていません。しかしニューヨークタイムズの悪質レビューに関する記事が発表されたのが2022年7月11日、こちらのラベルが確認されたのが同21日でしたので、関連した動きとみるのがよさそうです。

まだテスト段階の機能ですので詳細は不明ですが、こちらの機能によって悪質なレビューが投稿されていると判断された場合、何らかの措置があるのではないかと予想されます。

まとめ

今回はGBPを狙った悪質な業者の手口についてご紹介しました。

低評価レビューはただでさえ見ていて気持ちの良いものではありません。それが大量であったり、事実と異なるとなれば尚更混乱してしまうのも無理もないでしょう。

悪質な業者への対応に困ったら、プロに相談してみるというのも手段の一つです。

当社では、低評価レビューの削除はお約束できませんが、返信・通報等規約を遵守したMEO対策を行っております。

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