Googleビジネスプロフィール(以下GBP)に限らず、オンラインレビューが多くのユーザーに見られているというのはこれまで当コラムでも繰り返し強調してきた通りです。
2022年12月にレビューがユーザー心理に与える影響についてまとめた海外記事を紹介しましたが、今回は同じMozという米国のSEO業者による追加調査について紹介します。
内容は、レビューがユーザー心理に与える影響を年齢別に分けた際に、どのような共通点と相違点が表れたかというものになります。
念のため申し上げますが、この調査は年齢による差別を容認するものではなく、より多くのユーザーを尊重するためのものです。
早速、見ていきましょう。
過去記事
https://partita.co.jp/meocolumn/reviewinfluence/
参考記事
https://moz.com/blog/age-based-local-business-review-preferences
調査概要
今回の記事は、Mozが行ったGBPレビューがユーザーに与える心理的効果についての調査の結果の一部を掘り下げたものです。調査は2022年9月、1000人以上の米国居住者を対象に地元のビジネスへの関与についての質問に答えるという形で行われました。
追加調査の内容は、調査結果を18~29歳(グループA)、30~60歳(グループB)、61歳以上(グループC)の3つのグループに分類し、それぞれの共通点と相違点を探るというものです。
以下に調査結果をご紹介します。
年齢層ごとのレビューへの意識の共通点について
今回の追加調査の結果、年齢層ごとのレビューに関する行動や好みの違いよりも共通点の方が多いことがわかりました。その共通点の一部を列挙すると以下のようになります。
・3つのグループそれぞれの約1/3が、週単位でレビューを読むことを習慣にしていると述べました。
・3つのグループそれぞれの1/2強が、ビジネスが信頼できるかどうかを判断する上でレビューをある程度重要視していると述べています。
・3つのグループそれぞれの約1/2が、ビジネスの肯定的なレビューを読んだ後に企業の Web サイトにアクセスすると述べています。そして最年少および最年長のグループそれぞれの約1/3、そして中間グループの4分の1が実際にビジネスを訪問していると述べています。
・3つのグループそれぞれの半分以上が、ビジネスがレビューへの返信で問題を解決した場合に、そのビジネスを利用したくなると述べています。
・3つのグループそれぞれの約1/2が、最低でも4つ星の評価を得ていることをビジネスを利用する条件としています。
・3つのグループそれぞれの約1/3が、依頼されたときに「時々」レビューを残すと答えています。
・3つのグループそれぞれの7割以上が、自分の経験を他の人と共有するためにレビューを書いていると回答しています。
・3つのグループのそれぞれ6割以上が、企業広告や言葉よりもユーザーの声を重視すると答えています。
どの年齢層のグループにおいても、ビジネスの信頼度や利用するかどうかを判断するためにレビューを利用していることがわかります。当然ですが、肯定的なレビューを獲得するための努力はユーザーの年齢層に関係なく重要です。
年齢層ごとのレビューへの意識の違いについて
続いて、年齢層ごとのレビューに対する意識の違いについて見ていきましょう。
・年配のアメリカ人はレビューをあまり書かない。
レビューを書く頻度を尋ねたところ、グループAとグループBそれぞれの約4分の1が、レビューをまったく書かないか、または年に数回しか書かないと答えました。つまり、両グループの4分の3が活発にレビューを書いているということです。
一方で、グループC(61歳以上)のうち、レビューを書かないか、書いても年に数回程度と回答した人は43%にのぼりました。このことから、ビジネスが年配の顧客を対象としている場合、オンラインでの評判を築くためにより多くの努力が必要ということになります。
・若いアメリカ人は、紙よりもメールなどによるレビュー依頼を好む。
3つのグループそれぞれの約1/2が、レビュー依頼を受ける際の第1希望としてEメールを挙げ、対面での依頼は全員第2希望としています。しかし、グループAとグループBの3番目の選択肢がSMS/テキストベースのレビュー依頼であるのに対し、グループCはレシートや請求書などの印刷物でレビューを依頼されることを好んでいます。これは重要な分かれ目で、ビジネスは両グループの異なる期待に応えるために、レビュー依頼方法を多様化する必要があることが明らかになりました。
・若いアメリカ人は、レビューを書くプロセスの解説などを必要としている。
最年少のグループがレビューを投稿しない理由のトップは、レビュー投稿のプロセスが分かりにくく難しいと感じていることでした。つまり、レビューを書くための手助けや指導が必要だということです。
BとCのグループはすでにレビューの書き方をマスターしています。しかし、時間があるときにレビューを書くのを忘れてしまうとも述べました。このようなグループには、チュートリアルよりもリマインダーが効果的でしょう。
・最年少と最年長のアメリカ人は、レビューの返信に迅速さを求めていない。
グループBの15%は2時間以内にレビューに対するオーナーからの返答を期待していますが、グループAでは7%、グループCではわずか1%です。またグループBの23%は24時間以内の返答を期待していますが、グループAでは19%、グループCでは18%になります。
最年少と最年長の方はレビューへの返信に迅速さを求めていません。しかし、返信を待っていることには変わりがないことは気に留めておきましょう。
・年配のアメリカ人は、問題が解決されると寛大になる。
グループBの67%、グループCの61%は、オーナーの対応によって不満が解消された場合、ネガティブレビューや低い星評価を必ず更新すると回答しています。
年齢を重ねるほど間違いは簡単に起こるものだと認識し、努力を認めることができるようになるのかもしれません。クレームに対してはきちんと返信し問題を解決することが重要です。
・若いアメリカ人は、ビジネスを試してみる価値があると判断する前に、より多くのレビューを読む。
グループAの41%はビジネスを利用するか判断する前に10から20件のレビューを読んでおり、これはグループBでも同様に37%が同じことを行っています。一方で、グループCの圧倒的な特徴は、41%の人が5~9件のレビューだけを読んでから判断していることです。
経験豊富な年配者ほど、レビューを読み込んで判断するスピードが速いのかもしれません。あるいは、若い人ほど多くのレビューを読んで世論を見極め、自分の決断を下すというプロセスを頼りにしているのかもしれません。
・年配のアメリカ人は星評価が低いとビジネスへの信頼を失う。
グループCの半数以上が、地元の競合他社と比較して星評価が低いことが信頼を失う原因のトップであると答えています。グループAとグループBは、企業やスタッフがレビューの自演行為をしているように見えることを信頼を失う原因のトップに挙げています。
グループAとグループBはレビュアーのプロフィールをより深く見て疑わしい活動の兆候を探しています。レビューの信憑性を疑わせるようなスパム的な行為を一切行わないようにしましょう。
・若いアメリカ人は、ユーザーとの口論が多いビジネスオーナーを回避したがる。
また、「オーナーの対応で敬遠される要素は何か」という質問に対して、グループAは「オーナーがお客さまと口論していること」を一番に挙げています。このことから、たとえユーザーが間違っていると判断した場合でも、手際よく説明責任を果たすような対応が必要だとわかります。
一方、グループBの約半数とグループCの約3分の4が、トラブルへのビジネスオーナーの対応が悪いときにその企業を避けるようになると答えています。人生経験が豊富であればあるほど、問題解決能力に長けているブランドを高く評価するのは明らかです。
まとめ
今回は、Mozによるユーザーのレビューに対する年齢層ごとの意識調査の結果を紹介しました。
年齢層ごとの共通点もそれなりにあるものの、興味深い相違点の方が数多く見出せる結果となりました。例えば高齢者のコミュニティクラブや幼児教室など、特定の年齢層を対象としたビジネスの場合は上記のような相違点をより意識した方がいいでしょう。
また全年齢を対象としているビジネスでも年齢層ごとの特定の習慣や好みを知ることでより多くのユーザーに指示され、新規個客を多く獲得できる可能性があります。
年齢層ごとにどのようなサービスを好むかを検討し、多様性、公平性、包括性を持ったビジネスにしていくことが重要です。
GBPの管理に悩んでいる方は、ぜひ一度プロにご相談ください。
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文責:フーミン